6702 富士通の第110回定時株主総会
平成22年6月21日(月曜日) 10時〜
場所 新横浜プリンスホテル 5階 シンフォニア
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今日から9日連続で株主総会です。倒れないようにしないとね。
会社四季報には「コンピュータ世界上位。通信、半導体も手掛ける。ソフト、サービス国内首位。官需依存度高い。下期HDD譲渡。システム構築伸び鈍化。が、LSIに構造改革効果。株式譲渡特益。11年3月期もシステム構築関連厳しい。が、デバイス復調。携帯、パソコンも伸びる。構造改革通期貢献で営業益急伸。中国に初のデータセンター開設準備。国内でも新設検討、10年度の設備投資増勢。4月イメージスキャナーのPFU完全子会社化でグループの大型統合一段落」と書かれています。
株主優待はありません。
今日の株主総会は4カ所で中継されます。
札幌、名古屋、大阪、福岡。中継会場では議決権行使や質問は出来ません。
なので議決権行使は事前に郵送かネットでして、中継会場に入るのはこの紙を受付に提出します。
今年の3月に世間を騒がせるニュースがありました。
★★★★★★★★★★★★<富士通>野副氏の社長辞任取り消し要求 不協和音が表面化★★★★★★★★★★★★
3月5日21時22分配信
昨年9月、病気を理由に富士通社長を辞任したと発表された野副州旦(のぞえ・くにあき)相談役(62)が、社長辞任の取り消しを求める文書を同社に提出したことが5日明らかになり、経営陣の不協和音が表面化した。関係筋によると、野副氏は文書で「辞任は秋草直之取締役相談役(71)らから、虚偽の理由で迫られたもの」と訴えている模様だ。富士通は「内容はコメントできない」(広報IR室)とするが不透明なトップ交代劇に市場や顧客の不信が高まりそうだ。
富士通は昨年9月25日、野副氏が病気療養を理由に社長辞任を申し出たとして、間塚道義会長(66)が社長職を兼務する人事を発表した。野副氏は08年6月に社長に就任したばかり。投資家らに対し、11年度に過去最高の営業利益を達成すると公約した直後の唐突な辞任だった。
このため市場では、「野副氏の急進的なリストラ路線が、富士通の最高実力者である秋草氏の反発を買い、解任されたのでは」(アナリスト)との見方も出た。しかし、富士通側は「病気が理由。詳細はプライバシーにかかわるので、申し上げられない」と説明していた。
秋草氏は98年から社長を5年間、03年からは会長を5年間務めた。08年6月のトップ人事で相談役に退いたものの、取締役にとどまり、経営へ関与し続けてきた。
富士通は今年1月22日、間塚氏が会長職に専念し、4月1日付で山本正己常務(56)が新社長となるトップ人事を内定したが、秋草氏が取締役にとどまるかどうかは「今後決める」という。社内では野副氏の訴えに対して「すでに新社長は決まっている」と取り合わないムードが強いが、野副氏の今後の行動次第では問題が泥沼化する可能性もあり、トップ交代の経緯について市場から明確な説明を求められそうだ。
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2009年9月、野副氏が社長を辞任した理由は「病気療養」と公表されたのですが、野副氏は今になって「虚偽の理由で迫られたもの」なので辞任を取り消せって言っているらしい。
社長を辞任した後も相談役として富士通に残っていたんです。ですが臨時取締役会で「今回の行動で信頼関係が失われた」って事で解任。
富士通は辞任理由を「病気療養」から「野副氏が推進していたプロジェクトの一部に野副氏と親交の深い人物が代表を務める企業が関与していた。この企業には好ましくない風評があり、取引などの関係を持つことはふさわしくないと判断した」と変更。「野副氏の関係先企業への影響などから病気療養にせざるを得なかった」らしい。
野副氏は社長に復帰する事を望んでいるのではなく名誉回復。裁判に訴えたりしましたが富士通の勝訴。
「ニフティ」の売却計画が発端のようです。ニフティって昔はインターネットプロバイダーとして有名でしたが最近はぜんぜん聞かないよね〜。
富士通側は企業価値が毀損したって事で野副氏を訴えることを検討。野副氏は株主代表訴訟を検討してるってさ。
今のところ、そのような事にはなっていません。
★★★★★★★★★★★★富士通の野副元社長、辞任要求やり取りの録音テープ公開★★★★★★★★★★★★
4月22日21時39分配信
富士通<6702.T>元社長の野副州旦氏は22日午後、都内で記者会見し、2009年9月25日の取締役会直前において秋草直之取締役相談役ら幹部6人から辞任を要求された際のやり取りの録音テープを公開した。
テープによると、野副氏と付き合いがあった投資会社について「反社会的勢力」との関係を理由に、辞任を要求した経緯が明らかになった。
野副氏側が公開した録音テープは約40分間。この日の会見での野副氏側の説明によると、富士通側が録音した。野副氏による地位保全の仮処分申請(その後に取り下げ)に際し、富士通側が証拠資料として提出。この録音テープには、9月25日午前8時30分から富士通本社の一室で、秋草相談役、間塚道義会長ら6人と野副氏のやり取りが記録されている。
きょう公開されたテープによると、幹部の1人は投資会社について「反社会的勢力とのつながりが非常に濃厚なファンドであるということがはっきりしている」としたほか「金融業界の判定の中では完全なブラックだ」などと指摘。その上で「これは大変厳しい要求ですが、あなたは代表取締役および取締役を辞任してもらいたい。これは取締役会の意思であります」と迫った。
14日の記者会見で、富士通の間塚会長は、野副氏の辞任の理由について「リスク感覚の欠如」を強調し、問題となった投資会社については「反社会的勢力を持っているということは一切言っていない。関係が疑われるという表現だ」と述べていた。
野副氏らは22日、野副氏の辞任理由の明確な説明や、秋草相談役・間塚会長らの経営責任に関する7項目の公開質問状を富士通に提出。富士通の株主総会が6月21日に予定されていることを理由として、5月6日までの回答を求めた。
この日の会見で野副氏側が録音テープを公開したことや再現された内容について、富士通広報部は「今後の訴訟にかかわることなので、コメントは控えたい」と述べた。
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ドラマになりそうだね〜。
大企業でこんなゴタゴタが表沙汰になるなんて珍しいね。
野副氏は株主総会に来て発言するんですかね〜?裁判で決着をつけるから株主総会では何も言わないか。
「反社会的勢力」「好ましくない風評がある」とする企業がどこなのか気になりますよね。でも・・・・
「野副氏の辞任の背景となった調査結果、そのほか当社が得た情報については、情報提供者を含む第三者に多大なご迷惑をお掛けする恐れがあるため、その内容を明らかにすることはできません」
と、富士通のHPに書かれています。
↓サッポロHDの時に話題になった議決権助言会社が助言を発表したそうです。
★★★★★★★★★★★★富士通の間塚氏ら取締役2人の解任を助言−グラス・ルイス★★★★★★★★★★★★
6月3日、米議決権助言会社のグラス・ルイスは富士通の株主に対し、会長の間塚道義氏と取締役の大浦溥氏の2人を役員から解任することに賛成するよう助言した。元社長の野副州旦氏の退任をめぐる問題へのかかわりを理由としている。
富士通は4月、昨年辞任した野副氏について、トップとしての「適格性の問題」だったとする見解を示した。
グラス・ルイスは電子メールで配布した文書で、「この問題で取締役会の意思決定プロセスおよび株主価値への責務をめぐり大きな懸念が生じている」と説明。「大浦、間塚両氏は取締役会に残るべきではない」と指摘した。
富士通の山田悦朗広報IR室長は電話取材で、野副氏関連の問題については「十分に説明してきたので、今回の判断は残念だ」と語った。
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★★★★★★★★★★★★富士通の役員選任議案、日系助言会社も反対=21日の株主総会★★★★★★★★★★★★
22時01分配信
議決権行使助言の国内大手、日本プロクシーガバナンス研究所(東京)は3日、富士通<6702>が21日に開く株主総会で、間塚道義会長、山本正已社長、大浦溥取締役の3人の選任議案に反対する方針を明らかにした。
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議決権行使助言会社が反対せよ!!って言っている3名は召集通知に写真がありました。
富士通は議案の取締役10名選任の所に、すべての候補者の写真と経歴、それと選任理由まで書いてあります。ここまで詳しく記載する企業はあまり無いですね。
↑間塚道義会長。野副氏が病気を理由に退任してから今年の4月まで間塚会長が社長を兼任していました。
↑山本正已社長。今年の4月から社長になっています。
↑大浦溥取締役。この人、昭和9年生まれじゃん。も〜引退して残りの人生を遊んで過ごせば良いのに。
この問題が召集通知にはどのように書かれているかというと、
一行・・・・野副氏は辞任しましたって事だけ。それと指名委員会・報酬委員会を設置の件。この騒動の説明とか無し・・・・。
富士通側は何もやましい事はしていないので、何も説明する必要が無いって事かな?
野副氏の辞任理由を「病気療養」から「取引などの関係を持つことはふさわしくない企業と関係を続けたため」に変更した事をここで説明すべきだと思うけど。
富士通のHPには「第三者への風評被害を考慮した結果の辞任理由開示でしたが、結果としてはこのような状況となり、野副氏が辞任を決意した背景についても開示するということになった現在では、株主・投資家の皆様、また東京証券取引所様をはじめ多くの関係者にご迷惑をおかけしたことは深くお詫び申し上げます」って発表されてるけどね。
だけど〜サッポロHD VS スティールの時みたいに盛り上がってないよね。委任状争奪戦とか無いし。
大株主はどう判断するのかな〜?
う〜ん。株太郎も〜よく考えて議決権行使をする必要があるな〜。
って思ったけどね、考えるのに疲れたので賛成に○しました。これで良いです。
これまで見た事も聞いた事も無かった、議決権行使助言会社が議案を反対せよと言っているけど、わけのわからない議決権行使助言会社の言う事なんか聞きたくないし〜。
野副氏には味方してあげたいけど、株主に対して何も言ってないので、自分で裁判なり株主代表訴訟で決着をつけるのでしょう。なので議案の賛否、可決否決は関係ないでしょうね。
質問タイムでいろいろ意見が出ると思うのでそれを聞いてから議決権行使したいけどね〜議決権行使書が入場券みたいなものだから、入る時に提出しなければならないんですよ・・・・。
明るい話題は〜これ↓
★★★★★★★★富士通が東芝の携帯事業を統合へ、10月1日めど新会社★★★★★★★★
富士通と東芝は平成22年6月17日、携帯電話事業を統合することで基本合意したと発表した。10月1日をめどに富士通が過半を出資する新会社を設立し、東芝の携帯電話事業を移管する。今後、両社の協議を通じて7月末めどに最終的な契約を結ぶ。
具体的な出資比率は調整しているが、新会社は富士通の連結子会社で、事業を切り出すことになる東芝の出資は抑えられる見込み。東芝の携帯事業の人員360人は新会社に転籍する一方で、富士通の携帯事業の人員は本体に残る。富士通は傘下の子会社を通じて、調達や設計の合理化で国内基盤を強化するとともに、高機能携帯(スマートフォン)など東芝の技術を取り込んで海外進出の機会を検討していく。
富士通は、NTTドコモ向けに携帯事業を展開しており、高齢者を対象に機能を絞り込んだ「らくらくホン」に定評がある。一方で、東芝はKDDI<を中心にドコモやソフトバンクに携帯電話を供給しており、マイクロソフト<MSFT.O>の基本ソフト(OS)を搭載したスマートフォンの製造に強みがあるが、2009年度の携帯事業は赤字で、事業の立て直しが急がれていた。
調査会社のMM総研によると、09年度の携帯電話の国内出荷台数は、両社合わせて644万台。首位シャープの903万台に次いで2位の規模になる。
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会場の最寄り駅は新横浜駅。株太郎の自宅の最寄り駅から小田急線で町田駅。JR横浜線に乗換えて新横浜駅。
到着は、9時15分。クリエイトSDの株主総会で何度か来ている会場です。
会場の近くでは〜大企業の株主総会ではたまにある、労働組合的な人達が色々やっています。
ビラを配ったり拡声器で何か言ってますね〜。関係ない人にとっては迷惑でしょう。
看板を持った富士通の案内係はこんな状況ですが頑張っています。エライ!!
↑配っていたビラ。頑張ってくださいとしか言いようがないですね〜。
1階にはクロークと大量の株主用傘立てが用意されていました。
クロークに預けると〜返してもらう時に大行列になるからイヤなんだよね〜。傘は会場内に持ち込み禁止の総会が多いよね。今日は雨が降りそうで降らない天気なので長い傘を持ってくる人は少ないかな。
受付で出席票とお土産をもらいます。お土産の写真は最後に。
会場前には飲み物のサービスがありました。
1つ下の階に展示会場と株主控え室があります。そちらでも飲み物が出るのですが、わざわざ行く株主が少ないので空いています。
飲み物はコーヒー、烏龍茶、オレンジジュース、水。
株太郎はコーヒー。あまり好きではありませんが飲むようにしています。もう大人だし〜。
会場の大きさは700人ぐらい入れるでしょうか。出席株主はたくさんです。
山本社長の挨拶、騒動のお詫び。
「元社長、野副氏に関する件につきまして株主の皆さまには大変ご心配をかけおります事を、心よりおわび申し上げます。本件につきましては後ほど代表取締役会長、常勤監査役から報告します。」
出席役員の紹介、株主数議決件数、
監査報告、映像とナレーションで召集通知の説明、東芝との携帯電話事業統合の説明。対処すべき課題の説明。
10時43分、会長から野副氏辞任の説明。
「元社長の野副氏の件に関しまして報告をさせていただきます。本件に関しまして株主の皆さまにご心配とご迷惑をおかけしている事を深くおわび申し上げます。この問題につきましては野副氏が盛んにマスコミに登場して、野副氏の一方的な言い分ばかりが多数報道された事が株主の皆様におかれましても、もしかしたら野副氏の言い分が本当ではないかと心配している方もおられるかもしれません。
野副氏はマスコミで色々なことを主張しています。その言い分の根幹となっているのは自分は騙された、虚偽の事実を信じ込まされて辞任させられた、という事である。この点はすでにご承知の株主様もいらっしゃると思いますが、野副氏から代表取締役の地位保全の仮処分、つまり自分は騙されて、あるいは誤解してやめさせられたのだから元の地位に戻せという裁判が申し立てられた。
しかし1審の横浜地裁、及び2審の東京高等裁判所ともに野副氏の言い分はすべて敗訴し、当社の主張が全面的に認められた形で勝訴しました。東京高等裁判所の結果は6月18日、先週の金曜日に出たばかりです。様々なマスコミ報道がある中で、会社を信頼をしてくださる数多くの株主の皆様、OBの皆様、お取引先の皆様から富士通がんばれ、富士通やった事は正しいという応援を多数いただいておりました。これで当社の主張の正当性が十分に証明されたというふうに思っております。本当にありがとうございました。
次に昨年9月に野副氏が辞任した経緯を説明します。昨年2月、野副氏は、野副氏が懇意にしていたあるファンドをニフティの売却案件に関与させようとしていました。このファンドはケイマンに本店を置く小規模なヘッジファンドグループでございます。そのファンドにはいろいろとよくない風評があり、表に出ている投資先についても、上場廃止になったり破産したり、非常に不可解な状況がが多くあった。そこにある大手の証券会社から、そのファンドについては反社会的勢力との関係が疑われるという事や、別の大手証券会社からは、このファンドが関与するなら自分たちはこの取引に関与できない、などの情報が寄せられました。
そこで心配した相談役が私や監査役に相談するとともに、野副氏に対してこのファンドは棄権なので外した方がいい、と注意した。野副氏自身もあのファンドは怪しげなので外しますと相談役、監査役などに明言した。私もそのように聞いていた。その後、ファンドは外れたという前提でニフティの売却案件の検討が続けられました。
しかし野副氏の部下から、ファンドが裏に隠れているとの報告があった。ニフティの売却案件は昨年3月に他社から、より高値での買収提案が多数来た為、野副氏が中止にした。ところが7月に入り野副氏が売却案件を再開したところ、このファンドがニフティ売却の会議に参加している事がわかりました。また会社支給の携帯電話を調べると、野副氏はこのファンド代表者と相変わらず頻繁に連絡をとっている事がわかった。
この携帯電話は業務用として会社が支給しているものであります。会社が契約をして費用を負担している会社の所有物でございますのでまったく違法な調査ではありません。
更に実態のよくわからないファンドであるので複数の調査会社に調査してもらったところ、やはりこのファンドは反社会的勢力とのつながりが疑われるなど、好ましくない結果が報告されました。なお野副氏の辞任後の調査では、野副氏とファンドとのメールのやり取りで、ファンドを外すと明言した後も裏でニフティ売却に関与する事を認めていた事がわかりました。
これらの調査結果が揃ったのは8月末の事であります。そこで9月に入り、私と秋草直之相談役、取締役、監査役と議論しました。もちろん野副氏に再度注意してこのファンドとの付き合いを関やめてもらうことを考えました。しかし野副氏は以前からしばしばこのファンドの代表者のことを最も信頼する人物と言っており、現実にあのファンドは怪しげなので外しますと我々に約束したにもかかわらず、裏でニフティ売却案件に関与させたり、頻繁に連絡をとっているいう事実があった。
この事からすれば、もし再度注意して完全に裏に隠れられたら問題が深刻になります。それに当社は幸い、いくらでもお付き合いしていただける、証券会社や大手のファンドがあります。何も実態のよくわからないファンドと付き合う必要はまったくありません。それなのに野副氏自身も怪しげというファンドとなぜつきあわなけらばならないのか。
特に反社会勢力との関係では現在、経済界は強い姿勢で排除に臨んでいます。この問題で企業は上場廃止や倒産に至ることさえあります。したがって企業は取引の相手が反社会的勢力と関係が確実な場合だけでなく、その疑いがある段階で取引を中止するなどの対応を求められています。この点につきましては、東京高等裁判所は今回の判断の中で裁判所としての見解を述べています。これを紹介させていただきます。
『近年、暴力団が組織実態を隠蔽する動きを強め、活動形態においても企業活動を装うなどして、不透明さを推進進展させています。各種の合法的な経済活動を行う形をとりながら、資金獲得を行っています。この様な暴力団の不透明化や資金獲得活動の巧妙化を踏まえ、暴力団排除の意識が高い企業であったとしても、暴力団関係企業と知らずに結果として経済取引を行って暴力団に利益を与える可能性があります。反社会的勢力との関係遮断の為には、いっそう慎重ならなければならない。
しかも取締役、または重要な管理職がその事実を認識しないうちに反社会的勢力と接触を持ってしまっていた事が発覚すると企業の管理姿勢、ないしコンプライアンスの体制に欠ける所がある事が問題とされ、社会的評価が急激に悪化したり、企業の存亡の危機を招く事になる。これらは周知の事実であります。
したがって金融機関、上場企業、その他の重要な企業体における取締役、または重要な管理職の者は、反社会的勢力への問題に対する感覚を鋭敏にし、反社会勢力に対してはその情報が公式ないし確認できない前、いわゆる風評、噂の段階から慎重に情報収集しその確認に努める必要がある。秋草取締役などは上記のような観点から、反社会的勢力に関する情報に鋭敏となり、野副氏が反社会的勢力と交流を続けているのではないか、そういう疑いを持って野副氏に事実を確認し、その弁明を聞く目的で面談に臨んだものである。』
この様な内容でございます。まさに当社の企業姿勢を正しく評価して頂いたものと思っています。また経済界一般へのメッセージであると思っています。当社といたしましては他の企業がこのファンドと付き合う事をとやかく言うつもりはありません。
しかし当社はグループ17万人の企業です。万が一、ファンドの風評が事実だったらどうなるであろうか。風評が真実かどうかの確認がなされない限り、つきあって良いというものではありません。万が一真実だったらどうなるかと考えて行動するのが当社の社長の取るべき態度です。
少しでも怪しげだと感じたら慎重に行動し、情報収集し、万一のリスクを排除しないといけない。確認できないのであれば付き合って良い、のではなくて、確認できない企業は付き合わないと判断する、少なくとも富士通の社員はそうあるべきです。それが当社のトップの責任です。それが富士通ウェイの精神です。そして壇上にいる富士通の経営陣の考えでございます。
しかし、野副氏は約束を破ってまでファンドとつきあい続けた。つまりグループ全体のリスクよりも、野副氏個人の信頼関係を優先したということです。確かに野副氏はスピード感のある構造改革等で投資家やマスコミなどから高い評価を受けていた。しかしいかに有能な人物であろうと、このようなリスク感覚では当社のトップを任せられない。これが野副氏に辞任を求めた理由でございます。
富士通は今後ともそういう企業でありたいと強く思っております。株主の皆様方にもに理解いただきたい。よろしくお願いします。(株主からパチパチパチ)
また野副氏の辞任に関しては複数の取締役、監査役に相談し了解を頂いている。野副氏が辞任しない場合には取締役会で解職することについても同意を頂いていた。事前に相談しなかった取締役会メンバーも事後の説明でまったく同じ考えで同意を頂いています。
また取締役会での解職でなく、辞任という方法を提案をしたのは、野副氏自身が問題を認識して決断するのであれば、あえて解職するという手段をとるよりも本当であろうと。また名誉の為にも良いだろうと考えたからだった。当社とおきましてはこの様な背景の元に野副氏に辞任を求め本人が了解して辞任したことなので法的にも適正だったと考えます。しかし、野副氏の現在の行動をみると、配慮が逆にあだになったようです。
次に野副氏との裁判について簡単にご説明します。野副氏はさまざまなマスコミで、野副氏の辞任は権力闘争や構造改革に反発する勢力の策謀で虚偽の事実をでっちあげられ、だまされた結果であるなどと言っているが、しかしそのような事実は当然の事でありますがまったくございません。あくまで辞任の理由はさきほど説明した通りです。
野副氏は各種のマスコミで一方的な言い分を述べていますが、当社としては当社の正当性は裁判で明らかにあるという確信を持ってマスコミの対応は控えてきました。また裁判では野副氏が記者会見で公表した9月25日の録音テープ以外にも、その信用性の背景となった金融機関の情報や、調査会社の調査結果、関係者のメールなどさまざまなものを証拠として提出しております。
この詳細につきましては関係や金融機関にご迷惑をおかけしますので内容の説明は控えさせていただきますが、裁判はこれらのすべての証拠を元に判断されたものです。第1審の横浜地方裁判所では野副氏の主張をすべて退けた上で、野副氏は富士通の社長として風評の芳しくないファンド関係者と個人的にでも親しくなった事が不用意である。富士通を傷つけた事にもなり
会社の為にもやもえないと判断し辞任勧告を受け入れたと認めるのが相当と認定し、野副氏の申し立てを全面的に却下いたしました。
当社の主張が裁判所によって全面的に認められたものでございます。さらに第2審の東京高等裁判者でも、当社の取締役や監査役はファンド関係者の属性について反社会的勢力と関わりがある疑いがあるとの情報が得られた事を前提として発言しているので断定的に発言しているとは認められない。そのような疑いがある者との交友を理由として辞任を求め、野副氏もこれを前提として辞任を受け入れたと認められるので、詐欺や錯誤があったとはいえないと判断した。この様に裁判者は1、2審とも当社の主張を全面的に認めたものであります。野副氏の辞任が虚偽のでっちあげでないことが明白になりました。
次に野副氏の辞任後の処遇についてご説明します。野副氏は辞任後に多額の報酬で相談役にしたのは口止め料と主張しています。しかし当社では社長経験者は退任後もその知見経験を行かしてもらう為に相談役としてアドバイスをいただいております。相談役として活動していただく期間や報酬には内規があります。そのことは野副氏もよく知っています。今回の野副氏につきましても期間や報酬は基本的に当社のルールどおりがあります。もちろん問題となったファンドとの関係を絶つ事など条件にはなっています。一部特例としたのは野副氏は任期途中での辞任であったので、その期間の間だけは従来の報酬を支払うという事で、その後はルール通り減額される事になっていました。従いまして野副氏がこれを口止め料というのは全く理解できません。野副氏はその他にも普段使っている応接室での辞任要請を密室での解任劇と表現したり、非常に扇情的な言葉を駆使して当社を攻撃しました。そのような態度はいかがなものかと思っております。なお野副氏の相談役についてはすでに退任しています。
次に9月25日の野副氏の辞任に際し、病気を理由として開示した件です。本件に関しては株主の皆様にご迷惑をおかけしたこと深くおわびを申しあげます。当時の背景を説明いたします。野副氏に辞任提案する前に事情聴取をしています。たとえばインサイダー情報の提供や金品の授受など違法行為がなかったかを質問し、野副氏からはそのような事はなかったと答えがあった。また問題としているファンドは当社のビジネスに関係しているのは、ニフティの売却案件のみと思われました。仮に野副氏に違法行為が確認された場合には辞任という方法で適当ではなく、解職の上その内容を開示する事になったと思います。しかし確認の結果野副氏には違法行為が無さそうな事から辞任を提案し、そして野副氏と合意のうえ病気療養としました。