ダンの株主総会

平成18年5月25日(木曜日) 午前10時〜
場所 大阪市平野区、ダン本社会議室

社名はタビオになりました。


会場は、地下鉄谷町線の出戸(でと)という駅の近くです。大阪市内ではありますが、端っこの方で、中心部の梅田から電車で30分くらいかかります。しかも本数が少ないので、余裕を見て行きました。
駅から地上に出ると、案内の腕章を付けた社員がいました。看板は無いので気づかないかも?

周囲は駅前にダイエーがあり、大きな市営住宅もある、平凡な住宅地で変わった物は何もありません。写真の真ん中に見える青い看板が「パンセホール」というライブハウスです。


「シャ乱Q」がアマチュア時代にライブをやったりしたホールで、ほかにもメジャーデビューしたバンドを生み出したホールで、関西では老舗としてファンが多いです。ボクも昔は数え切れないほど来ました〜。名所はこれくらいかな。

 そこから歩いて1分くらいで、ダン本社に着きました。看板は無いですが、入り口に受け付けがありすぐ分かりました。


 
お土産を先にいただき、会場の3階まで、上がります。壁に靴下屋などの店の写真があり、その中にロンドンの名門デパート「ハロッズ」の店もあり、ちょっと驚きです。
会議室は、学校の理科室くらいの大きさで、椅子と机が並んでいます。スーツ姿が多いですね。出席は40人くらいです。

 10時に役員が入場し、開会。マイクも無しですが、十分聞こえます。株主1495人中、出席は郵送を含め、367人。議事の進行などの、お決まりの説明が始まると、後方席から「了解!」「了解!」と社員株主の声が聞こえます。この会社は社長や関係者で株が8割近くあるので、議決は可決同然。そんなことしなくてもいいんだけどな。社長が議案書を朗読する形で、議事が進みます。単独で、監査法人もいないので、割と早く終了。

質問は1人。

 「健康関連商品の内容は?」

 「九州高千穂のテンショウ石を使った、臭い消し、水虫に効く商品を表参道ヒルズで展開している。かなり有望」

 「スポーツ関連商品の内容は?」

 「オリンピック選手と奈良教育大学の協力で、土踏まずに工夫した商品を開発し、特許申請した」

 続いて議案審議です。

質問は1人。

 「新定款の株主総会関連書類のインターネット開示で、郵送はなくなるのか?」→「今と同じ」

 拍手で可決して、10時36分終了。

 10分くらい休憩して、株主懇談会です。
後ろの社員株主は退席して、30人くらいになりました。地元のパン屋さんのサンドイッチ(こういうのはうれしいですね〜)と、水が配られ、社員がコーヒーを入れてくれます。ここで気づきましたが、アパレル関係だけあって、女子社員はかなりカワイイ人が多いです。制服無しで自分の服なのでしょうが、仕事着だけどセンスがあるというか、かっこいいんですよね〜。普通仕事着だと私服でもダサダサになるんですが、さすがです。

 株主懇談会は今回で5回目になり、1回目は10人ほどだったらしいです。
初めに会社のイメージビデオ上映。秋に社名変更になるので、それを意識したビデオです。社長が「靴下のことしか分かりませんが何でも聞いて下さい」と言われ、スタート。社名が「タビオ」に変わりますが、これは「靴下をはいて世界を旅しよう」という世界進出を目指すことと、「足袋」という日本古来の靴下から取った造語で、日本の伝統技術を守って行きたいという思いが込められているとのこと。
ボクは「ダン」もなかなかいいと思うのですが、これは社長が「ダン」=「男」、男一匹という意味で付けたそうです。ただその時点ですでに登録されていて、ライセンス契約で借用している社名であることと、「ダン」が外国人の一般的な名前であるため、イギリスで登録できず「タビオ」で展開しており、これを機に統一したいとのことです。
 
 ロンドンの「ハロッズ」に出店しているのは日本のアパレルでは当社のみで、価格は日本の2倍だが、かなり売れている。今後はフランス、ドイツ、イタリアにも進出したい。靴文化の欧米は意外に靴下は発達していない。日本の靴下は世界一の質なので勝負できる。社長が考える最高の靴下は「皮膚」である。「皮膚」に近い靴下を作りたい。

 しかし、中国などの安い物に押されて、日本の技術はなくなってきて、ダンだけになったので、このままでは国がダメになると思い、頑張りたいという話がありました。

中国にも行ったそうですが、「微妙」とか細かいことが、いくら説明しても理解できないそうで、質では日本は負けないと確信していました。

 面白かったのは、靴下を中国から輸入しても、マークを印刷すれば「日本製」になってしまうそうです。材料を輸入して、日本で加工したことになるそうで、これはびっくりでした。
あと、足の指のところに、横に縫い目があるんですが、これは機械織りのときに出来る縫い目で、手織なら出来ないので、この縫い目が無くなる機械を開発するよう研究しているそうです。

 店については準社員(派遣かパートのことか?)を正社員にする事を進める。これによって今まで客に聞かれれば応対する、という姿勢から、積極的に客に話しかける姿勢を作っていきたい。宣伝は正直、今の会社の規模では大きく展開するのは難しいが、ブランド力を高めることで、展開できる企業にしていきたい、という話でした。

 このような話があり、11時半過ぎに終わりました。お土産は、関西では有名な播磨屋のおかき詰め合わせをいただきました。



感想ですが、総会の社員株主はいただけないですが、オーナー企業で形式的に済ますことも出来るのに、懇談会があるのは、経営者の「顔」が見えていいと思いました。総会を法律上のセレモニーと考えるか、個人株主を強力な応援団として考えるか、あり方を示唆していたと思います。また、靴下を売ると言うより、イイ物を作って、技術を守るというか、日本の産業のあり方を考えているのがよく分かりました。

ジャンプ君さんからのレポでした〜。ありがとうございます〜。


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